埼玉県での建設業許可の新規申請の必要書類を解説します

初めて建設業許可を取得しようとする建設業者の方は、建設業許可の取得手続きの際にどのような必要書類を用意すればよいのか分からず困っていらっしゃるのではないでしょうか。

建設業許可を新規で取得する場合、そろえるべき必要書類は多岐にわたる上、すぐに用意することができない書類もあるので、事前に全体像を把握しておくことが大切です。

建設業許可の申請区分

建設業許可の申請区分は、新規、許可換え新規、般・特新規、業種追加、更新などがあります。

許可換え新規は、他の都道府県知事の許可を受けている業者が埼玉県に拠点を移して埼玉県知事から許可を受ける場合等の申請区分、般・特新規は、一般建設業の許可を受けている業者が新たに特定建設業の許可を受ける場合等の申請区分です。

初めて建設業許可を受ける建設業者の方は、「新規」で申請することになります。

新規で申請する際は、埼玉県庁に御社の情報が全くない状態のため、用意すべき必要書類が最も多くなります。

建設業許可の新規申請に必要な書類とは?

建設業許可の取得手続きの必要書類は、法定書類と添付書類に大別できます。

法定書類とは、建設業許可申請書の様式のことで埼玉県庁のホームページでも公開されています。建設業許可の手引きを参考にしながら、記入しますが、記入すべき事項が多岐にわたるため、初めて新規申請する方は、大変苦労するかもしれません。

添付書類は各種の証明書のことで様々な役所から取り寄せます。添付書類も膨大なので、初めて新規申請する場合は揃えるのに一苦労することもあります。

建設業許可の閲覧対象書類、閲覧対象外書類とは?

建設業許可の新規申請に必要な書類は、「閲覧対象書類、閲覧対象外書類」という分け方がなされることがあります。

建設業許可が下りて建設業許可業者になると経営内容、技術者等の情報が公開され、国土交通省各地方整備局及び各都道府県の窓口等で閲覧できるようになります。その際に、閲覧可能となる書類が閲覧対象書類です。

一方、閲覧対象外書類は、個人情報などが含まれているため公開されないことになっています。

なお、建設業許可申請書の閲覧制度は、その建設業者に工事を発注することを検討している人に工事実績、経営状況に関する参考資料を提供する目的で運用されています。

建設業許可の新規申請に必要な書類は、閲覧対象書類、閲覧対象外書類、それ以外の書類に分けて提出することになっています。以下、この分類に従って確認しましょう。

閲覧対象書類

閲覧対象書類は、建設業許可が下りた後、公開されて誰でも見られるようになる書類です。ただ、公開されることを気にして虚偽の内容を記載すると建設業許可が却下されるので正直に、かつ正確に書くことが大切です。

建設業許可申請書

様式第一号(第二条関係) のことで、建設業許可申請をする法人や個人事業主の情報、許可区分などを記入します。

書類
1

役員等の一覧表

法人のみ作成する書類です。取締役等の役員と常勤か非常勤かを記載します。また、顧問、相談役、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主若しくは出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている株主も記載します。

書類
2

営業所一覧表

主たる営業所と従たる営業所を記載します。

書類
3

専任技術者一覧表

専任技術者の氏名と、所属する営業所、資格の種類などを記載します。

書類
4

工事経歴書

許可を受けようとする建設業の建設工事の種類ごとに作成します。

申請をする日の属する事業年度の前事業年度(決算を終了したもの)に完成した主な建設工事で、請負代金の大きい順に10件程度記入し、続いて、主な未完成工事を記載します。

書類
5

直前3年の各事業年度における工事施工金額

許可を受けようとする建設業の建設工事の種類ごとに直前3年間に完成した建設工事の請負代金の額を記載します。

書類
6

使用人数

技術関係使用人と事務関係使用人の人数について、営業所ごとに人数を記載します。

書類
7

誓約書

申請者や役員等が建設業法8条各号の欠格要件に該当しないことの誓約書です。

書類
8

健康保険等の加入状況

健康保険、厚生年金保険、雇用保険への加入人数を営業所ごとに記載します。

書類
9

建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表

本店とは別に営業所を設けて、営業所長をおいている場合に記載します。

書類
10

営業の沿革

営業所の設置、移転、法人成り、資本金変更等を行った年月日など、事業開始から現在までの営業の沿革を記載します。

書類
11

所属建設業者団体

建設業協会などに加入している場合に記載します。

書類
12

主要取引金融機関名

取引先の銀行名を支店名まで記載します。

書類
13

財務諸表等

法人の場合は、下記のような財務諸表を作成します。

  • 貸借対照表
  • 損益計算書・完成工事原価報告書
  • 株主資本等変動計算書・注記表・附属明細表

個人の場合は、貸借対照表と損益計算書を作成します。

書類
14

定款

法人の場合は、定款を添付します。

定款は、会社の目的が建設業を営む旨と許可業種が読み取れる内容になっているかどうかがポイントです。また、資本金の額が500万円以上に設定されている必要があります。

書類
15

閲覧対象外書類

閲覧対象外書類は、建設業許可が下りた後も公開されない書類です。個人情報等も含むので気になるかもしれませんが、正確に書きましょう。

常勤役員等証明書・略歴書

以下の書類を必要に応じて作成します。

  • 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書
  • 常勤役員等の略歴書
  • 常勤役員等及び当該常勤役員等を直接に補佐する者の証明書
  • 常勤役員等を直接に補佐する者の略歴書
書類
1

専任技術者証明書等

専任技術者に関する証明書を作成します。必要に応じて、実務経験証明書、指導監督的実務経験証明書も作成し、卒業証明書、資格証明書等とセットで提出します。

書類
2

許可申請者の住所、生年月日等に関する調書

下記のような調書を必要に応じて作成します。

  • 許可申請者(法人の役員等・本人・法定代理人・法定代理人の役員等)の住所、生年月日等に関する調書
  • 建設業法施行令第3条に規定する使用人の住所、生年月日等に関する調書
  • 株主(出資者)調書
書類
3

納税証明書(事業税)

直前1期分の事業年度についての納税証明書で、現状を反映しているものを提出します。

書類
4

履歴事項全部証明書

法人は、履歴事項全部証明書を提出します。個人は、登記上の支配人がいる場合に商業登記簿謄本を提出します。いずれも申請日から 3 か月以内に発行されたもので、現状を反映しているものを提出します。

書類
5

それ以外の書類

それ以外の書類は主に建設業許可要件を満たしていることの確認資料になります。提出するものと提示するだけでよいものがあります。

成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書(登記されていないことの証明書)、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨等の市区町村長の証明書(身分証明書)

法人の場合は役員、営業所の代表者(施行令第3条の使用人)の分。
個人の場合は、本人、支配人の分。

未成年者が建設業の営業を行う場合には法定代理人分が必要です。申請日前3か月以内に発行されたもので、現状を反映しているものを提出します。

書類
1

営業所の確認資料

営業所の写真を提出します。外観、郵便受け、内部の状況などを撮影し、写真の台紙に自己所有又は賃貸借等の別を記入します。別途、見取図の提出が求められることもあります。

書類
2

常勤役員等の経験年数の確認資料

法人の役員、事業主として在籍していたことが確認できる書類の提出と工事実績を確認できる書類の提示が必要です。

書類
3

専任技術者の資格・学歴・実務経験の確認資料

実務経験については、証明者の下で勤務していたことを確認する書類の提出と工事実績を確認できる書類の提示が必要です。

書類
4

常勤役員等、専任技術者の常勤の確認資料

健康保険被保険者証、雇用保険被保険者証(写し)、雇用保険の事業所別被保険者台帳(写し)などにより確認します。

書類
5

社会保険等適用の確認資料

保険料領収証書等(写し)などにより確認します。

書類
6

財産的基礎要件の確認資料

貸借対照表、預金残高証明書などにより確認します。

書類
7

法人番号の確認資料

法人番号指定通知書(写し)、国税庁法人番号公表サイトの検索結果(印刷)などで確認します。

書類
8

役員等の氏名等の資料

個人事業主、支配人、役員、顧問、相談役又は総株主の議決権の100分の5以上を有する株主若しくは出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者(個人であるものに限る。)及び建設業法施行令第 3 条規定する使用人、全員について記入した役員等氏名一覧表を用意します。

書類
9

建設業許可の取得手続きに必要な書類を確認してきました。

ご覧いただいたように建設業許可を新規で申請する場合は、埼玉県庁に御社の情報が全くない状態なので、申請書に記載すべき項目も、添付すべき書類も膨大になります。

独力で建設業許可申請を行うことは難しいと感じられる場面が多いと思いますので、商工会に入会し、建設業許可申請に関するサポートを受けることもご検討ください。

建設業許可の取得手続きは

ぜひご相談ください。